2021.3.9
土筆
日々のまにまに季節の香りのする、食べ物が好きで、
それは、やはり春が抜きんでています。
”今日は山菜狩り”と準備万端整えて出かけるのも
春の楽しい催しの一つですが、
気候が良くて、散歩に出た先に、
蕨とか、土筆を見つけると、
嬉しくなってしまうのは、私だけでしょうか…?
この仕事を始めてから、3月は、新年度。
未だ受験が残っている子、新入塾生
進級する子達のテキストやカリキュラム、
そして春講習の準備。
と日々大わらわなのですが、
春講習が終わり、一息つける頃には
桜はほぼ終わり、土筆はスギナになっています。
もう、それが残念で…。
その後の草むしりの時にスギナを抜く度に、
”あぁ~、今年も土筆摘みに行けなかった…。”
と思ってしまいます。
家の近くにも、ちょっと足を延ばせば
実は穴場を知っているんですよね。
土筆がたくさん生えているところを…。
子供が幼くて、まだのんびり過ごしていた時は
土筆摘みに行って、子供がお昼寝している間に
せっせと袴を取って、子供が起きたら、
土筆を大鍋で、さっと茹でます。
”土筆はね、お湯に入れた瞬間
『キュン』と泣くんだよ。”
昔々の母の受け売りを、
毎回子供たちの前で言い。
『キュン』を聞こうと耳を澄ますのですが、
聞こえず…。
茹で上がったら、甘辛く味付けして卵とじにし、
夕飯の一品出来上がり。
ほろ苦くて、えぐみも少しあり、
子供にとっては美味しいものでは
無いと思います。
でも、一年に一度はこれも味合わなければ、
何か、歯抜けのような日々に
なってしまいそうで、
夢中になって土筆を積む陽だまりと、
袴を取るめんどくささと、
『キュン』のほろ苦さと。
が入り混じった、夕餉が
我が家の春の風物詩の一つでした。
三寒四温の日々ですが、
春うららな、お散歩日和に、
今年は土筆に会えるといいなぁ…。